11/13キャンプ座間包囲行動と米軍再編「中間報告」

11月13日の午後から「第1軍団は来るな!11/13キャンプ座間包囲行動」が行われ、多摩フォーラムもこの行動に参加した。その報告とキャンプ座間に関する計画について少し述べておきたい。

 10月29日に、米軍再編に関する「中間報告」が日米政府の間で合意された直後ということもあり、3200人以上の人々がこの行動に参加し、キャンプ座間司令部(リトルペンタゴン)のある基地の南側を「人間の鎖」で包囲した上で、ウェーブと再編計画に反対するシュプレヒコールを行った。また代表団による申し入れも事前に行われた。

 今回の包囲行動は、今年2月に続いて、2回目となる。前回は冬の時期であり、しかも雨の中での行動だったのですごく大変だったが、この日は天気も良く、多くの人が参加した。当日の午前中には、地元の相模原市で反対集会が行われた。

今回、合意された「中間報告」(「日米同盟・未来のための変革と再編」)の中で、キャンプ座間について、どのように書かれているか確認しておくことにする。

10月30日付「朝日新聞」を見ると、「米陸軍司令部能力の改善」として、「キャンプ座間の在日米陸軍司令部は、展開可能で統合任務が可能な作戦司令部組織に近代化する。」と書かれている。防衛庁資料を基にした説明図のキャプションにも「在日米陸軍司令部の改編」としか書かれていない。

これを読むだけでは、米陸軍第1軍団がキャンプ座間に移駐してくるとは書かれていないのである。実際、相模原市に行われた防衛施設庁の「事前説明」(10月28日)でも、「近代的な司令部に変更する。(第一軍団司令部移転の案は無い。)」(相模原市が公表した内容)というものであった。

では、改編とは何を意味しているのだろうか。簡単に説明しておこう。

改編の中味としては、第1軍団司令部を新しい司令部(UEX)に変更して移駐させるということが考えられている。UEXとは、従来の師団司令部に相当するものと言われている。すなわち組織をコンパクトにした上で、この司令部が旅団レベルの実戦部隊(ストライカー旅団など)を指揮することになる。米軍再編のポイントである「機動力」を持たせることがその狙いである。

しかもこの司令部は、陸軍だけでなく、海・空・海兵隊を束ねた統合軍や多国籍軍の司令部としても機能させることが考えられている。さらにキャンプ座間については、陸上自衛隊の「中央即応集団司令部」(06年新設)を設置し、日米司令部の連携を強化することが盛り込まれている。この部隊は防衛庁長官の直轄部隊であり、「テロ」などの「緊急事態」や海外派兵を専門とする部隊である。

このような計画が実現すれば、日本は米国政府の進める「対テロ戦争」のための戦闘指揮を行う拠点に変えられ、米軍との一体化による自衛隊の海外派兵体制が強化されてしまうことになる。頭ごなしに押しつける、こんな再編計画は断じて認められるものではない。

当日の申し入れ書には、「私達は絶対に第1軍団司令部の座間移転を認めない。名前を変えたり、規模を縮小するとの、まやかしを認めない。」と書かれている。本当にそのとおりだと思う。日本の各地から、基地の強化反対、基地撤去の声を届けよう。(石)
inserted by FC2 system