7/4相澤恭行さん講演会

去る7月4日、多摩フォーラム2回目の講演会を開催しました。今回は、5月からイラクのファルージャに45日間にわたり滞在し、イラクの人々に医薬品を届ける等の支援活動を行ってこられた「YATCH」ことPEACE ON代表の相澤恭行さんのお話を聞くことができました。

まず始めに、4月の日本人3人の人質事件について言及されました。3人が解放された理由について「高遠さん達の行動(現地でのボランティア活動など)が自らを救った」と分析し、また「自己責任」論なるバッシングが日本のマスメディア等で唱えられたことについて「もしイラク人がこのことを知ったら、イラク人は誰も日本人を信用しなくなるのではないか」と語られました。「こんなイラクに誰がしたのか」それは日本政府にこそ責任があり、また私たち1人ひとりにも責任があること、あえて言えば「共同責任」「戦争加担責任」と言いうるのではないかと、無責任な「自己責任」論を論破するとともに、自分達の責任をも問いかける鋭い指摘がされました。

続いて、相澤さんがイラクで「人間の盾」の一員として活動され、その中からPEACE ONの活動を始められた経緯について映像を交えて語られ、イラク人現地スタッフとの友情あふれる交流の話の数々も聞くことができました。一方で、米軍による被害の状況を映し出す映像は生々しいものでした。病院にあふれる負傷者、クラスター爆弾を浴びた体をベッドに横たえ「ブッシュはテロリストだ」と叫ぶ少年。爆撃により死亡した身内の遺体回収すら米軍に許されず、代わりに遺体回収にむかう相澤さんら「人間の盾」スタッフ。テレビなどのマスメディアでは流されない人間の変わり果てた姿、嘆き悲しむ残された家族の様子に戦争の酷たらしさを改めて見せ付けられました。

現在もイラクでは米軍が攻撃を繰り返し、イラク人犠牲者はすでに10万人を越えると言われています。これ以上犠牲者を増やさないために、自衛隊の派遣延長を許さず撤退させること、そして米軍をはじめとする全ての外国軍隊をイラクから撤退させるために私たちが声をあげていくことが必要だと思います。
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