沖縄・辺野古座り込み参加報告

 10月末の日米安全保障協議委員会(2プラス2)による「中間報告」で沖縄・普天間基地の移転先として辺野古崎が具体的に出されました。それに先立つ10月上旬、多摩フォーラムでは沖縄・辺野古での基地建設反対の座り込みに参加しました。1日だけの参加ではありましたが、座り込みの現場に行き、現地の方々のお話を聞くことができました。

朝6時半に辺野古の事務所前に到着したところ、ヘリ基地反対協代表の安次富さんが対応して下さいました。9月初めに台風を理由にヤグラが撤去されたため、それまで毎朝7時から出発していた海上行動もカヌー練習などに切り替えているとのことです。再度9時半に出直して、座り込みテントへ。他の訪問者と一緒に港の堤防に出て安次富さんの説明を聞きました。目の前に広がる海は青とエメラルドグリーン。前方に見える小さい白い波しぶきがサンゴ礁のあるところです。サンゴ礁はジュゴンのエサの藻場になっており、また、台風の際の波を緩和してくれる役割も果たしています。当初の基地建設案はこの目の前のサンゴ礁を破壊してしまうものでした。

堤防から左方向にはキャンプシュワブのエリアで海岸に突き出した兵舎地区が見渡せます。普天間基地の移転先として決まったのが、この辺野古崎です。海岸そばに見える大きな建物はテニスコートや映画館もある娯楽施設で3億円の費用がかかっているそうです。また、辺野古の海域は米軍の提供水域で、米軍に許された時に漁業ができるというもので、今でも辺野古沖に水陸両用戦車や訓練中の兵士が姿を見せることがあるとのことです。普天間に配備が予定されている垂直離着陸機「オスプレイ」は、墜落事故が続発しているものであり、昨夏の沖縄国際大学へのヘリ墜落事故の記憶も新しい中、辺野古への基地移転は危険の一層の増大を伴うものだと心配されていました。

地元辺野古漁民は賛成派が多いそうです。作業船としてチャーターに出せば1日につき1隻5万円が入り、行政側も反対派の切り崩しのためにグランドや施設を作るなどしています。一方で支援の広がりもあり、当初静観していた北隣の港の漁民は、昨秋から海上での衝突が激しくなる中で反対派の支援に回ってくれたと語られました。

説明していただいた後、テントに戻り資料や写真を見せてもらいながら、安次富さんを始め地元の参加者・県外からの参加者と交流しました。比較的参加者が少ない日とは言え、地元の人が差し入れをもって入れ替わり立ち替わり現れ、見学者もちらほら訪れていました。参加者の一人の方が、ヤグラが撤去されて座り込み体制もやや緩やかになったものの、逆に今度はいつ新しいヤグラを組み立てるのか、それに対応しなければいけないと張り詰めた表情で話されていたのが印象的でした。

 新基地建設の場所が、辺野古沖から辺野古崎へ変更になったことは、海上行動も含めた体を張った人々の戦いが引き出したものではありますが、新基地建設のために沖縄の海と自然と人々の暮らしを破壊するものであることには変わりはなく、許すことはできません。沖縄をはじめとした、在日米軍基地の再編を許さず、米軍基地撤去の声を今一度大きく上げていかなければなりません。(Mt.)
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