7/24多摩フォーラム上映会:海南友子監督『にがい涙の大地から』

「戦争が終わって60年。中国の大地には今も、日本が棄ててきた兵器が人知れず眠っている。かつての戦争の置き土産で、平和な時代に傷つけられ、命を落とす人々。彼らの声に耳を傾けてください。」(海南友子公式Website、『にがい涙の大地から』作品紹介より)

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『にがい涙の大地から』は、中国における旧日本軍の遺棄兵器問題を取り上げ、被害者の姿を映し、被害者の声に耳を傾けた作品です。父親を遺棄兵器の爆発で殺され、残された家族の悲惨な生活や、遺棄兵器事故の後遺症で苦しむ人等を中心に撮影しています。ところどころ正視できないシーンもありました。

普段、遺棄兵器のことを意識することはまずありません。政府の姿勢や、積極報道をしないメディアの問題もあると思いますが、被害の実態を記録し、知らされない現実を見せてくれる、貴重な映画でした。上映会では、およそ40人の方が足を運んで下さいました。今回の上映会の他にも、今でも日本のどこかで自主上映会が行われ続けています。一人でも多くの方にこの映画を見ていただき、遺棄兵器問題を意識することが、日本政府が被害者への補償・遺棄兵器処理を行うことへのスタートだと思います。

この映画に登場した被害者たちが補償を求める遺棄兵器訴訟では、1審で原告の主張を認める判決が出たものの、国側が控訴、2審が係属中です。被害者のことを第1に考え、裁判を長引かせるよりも、一刻も早い人道的措置をとることを日本政府に希望します。

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海南友子プロフィール(海南友子公式Websiteより http://kanatomoko.jp.todoke.net/ ) 大学卒業後、NHKの報道ディレクターとして勤務。2000年に独立。  インドネシアの元慰安婦を取材したドキュメンタリー映画『マルディエム彼女の人生に起きたこと』(2001)を監督。2004年には『にがい涙の大地から』を監督。  自主上映会の日程も海南友子公式Websiteに掲載されています。(志) inserted by FC2 system