キャンプ座間レポート〜最近の動向〜

日米両政府の間で「米軍再編」をめぐる協議が進められています。沖縄に次いで米軍基地の多い神奈川県・キャンプ座間の動向について簡単にレポートします。キャンプ座間は、もとは旧日本陸軍士官学校があった所です。敗戦以降、米軍が接収し、70年代から陸上自衛隊が共同使用しています。在日米陸軍司令部兼第9戦域支援コマンド司令部が置かれており、主にはアジアにおける戦闘の支援活動を担っています。周辺ではヘリコプターの騒音による苦情が相次いでいます。

先月末、「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会」の基地部会主催による集会と基地見学に参加しました。見学ルートは、キャンプ座間の南に位置する司令部の周辺とメインゲート前まで外から見て回るというものでした。南西にある座間公園沿いのフェンス越しから、司令部(通称リトル・ペンタゴン)の建物や野球場などを見ることができました。

象徴的なのは、基地に掲げられている三本の旗です。日の丸、星条旗、そして国連旗です。なぜここに国連旗があるのかと言うと、朝鮮戦争時、国連軍として参戦した米軍の後方司令部であったからで、いまだにその決議(休戦状態のため)が生きているからなのです。このことからもこの基地がいかに朝鮮半島の軍事的緊張と深く結びついているかがわかるかと思います。メインゲート前では警官がカメラ撮影をしないように規制してきました。またゲート前には銃を持った兵士が立っていたのが威圧的でした。

キャンプ座間では、米国ワシントン州にいる第1軍団司令部の移駐計画が上がっています。マスコミ報道がされているにもかかわらず、日本政府は地元自治体(相模原市と座間市)には何の説明もしていません。厚木基地の空母艦載機を岩国に移転させることをバーターに考えているとか、当初は移駐人数を少なくするなどの姑息なやり方を検討しているようです。第1軍団はアフリカ大陸東岸から西太平洋までを作戦領域とする部隊です。この司令部が移駐してくれば、前方展開の拠点としてますます「対テロ戦争」に組み込まれていき、基地の恒久化につながることは明らかです。

こうした動きに対して、「第1軍団移駐は歓迎しない」として、市民による反対運動と、自治体による移転反対の取組みが展開されています。座間市は6万余の署名を政府に提出し、相模原市も目標20万人署名運動を展開しています。また、基地問題に取り組んでいる市民団体も連続的に反対行動を計画しています。

7月17日には、「第1軍団は来るな!違法爆音はやめろ!在日米軍の再編強化を許さない市民行動」ということで、集会とデモ、基地への申し入れ行動が約800名の参加で行われました。正面ゲート前では、警察が物々しい警備を固めている中、デモ隊がシュプレヒコールを上げ、代表団が申し入れ行動を行いました。

年内決着を急ごうとする米国政府とこれを受け入れようとする日本政府。基地を抱える地域の自治体と市民の取組みがますます重要となっています。多摩フォーラムもこうした取組みにできるだけ参加していきたいと思います。(石) inserted by FC2 system